2018年6月18日、JSPORTSがAmazon Prime Video内にチャンネルを開設しました。
Prime Video チャンネルとはいったい何かと言うと、Amazonがプライム会員向けに提供しているPrime Video内にてコンテンツの提供者が月額課金制で有料配信チャンネルを運用できるサービスのことです。消費者目線から言うと、プライム会員は追加で月額課金を払うことで新規で専門チャンネルが視聴可能になるサービスです。ライブ配信も可能になるということもあって国内スポーツ配信の大手であるJ SPORTSも参入してきました。これがJ SPORTSによるはじめてのオンラインストリーミング配信かというと、J SPORTSは既にJ SPORTSオンデマンドという独自のストリーミング配信サービスを提供しています。では、この2つは何が違い、どちらがオトクなのでしょうか。見ていきましょう。
料金・コンテンツ比較
実はこのAmazon J SPORTSチャンネルとJ SPORTSオンデマンドでは料金が異なります。競合他社であるDAZNとも比較して料金を見てみましょう。
Amazon J SPORTSチャンネル | J SPORTSオンデマンド | スカパー! J SPORTS |
DAZN | |
料金(税込み) | \2,138/月 | \2592/月 | \2469/月 | \1,890/月 |
備考 | プライム会員必須 | U25割で半額 | パック販売あり | ドコモで\1,059/月 |
見ていただければ分かりますが、Amazonプライム会員であればJSPORTS 総合パック(※1)の中では割引なしの場合には最安で視聴することが可能になります。Amazonプライム会員も年額\3,900ですので、それを込みにした場合でも\2,488/月と他のJ SPORTSとほぼ同じ価格で視聴することが出来ます。とはいってもドコモユーザーならば月額1,000円ほどで視聴可能なDAZNと比べると価格は倍以上です。扱っているコンテンツは異なっていますので(というよりはメインの野球とサッカーをDAZNに取られただけですが…)そのまま競合するというわけではありませんが、コンテンツ的にJ SPORTSでなければいけないというのでなければDAZNの方がかなりお得でオススメになります。
さて、Amazon J SPORTSチャンネルとJ SPORTSオンデマンドではコンテンツはどう違うのでしょうか。2018/06/29現在では、全部で153本のビデオが見逃し配信可能となっています。1番組の編成がJ SPORTSオンデマンドの本数と単純比較はできませんが、私が視聴するモータースポーツで言えば
- SUPER GT
- スーパーフォーミュラ
- WEC
- WRC
- スーパーバイク
- スーパースポーツ
- 各種24時間レース
- レッドブル・エアレース
の視聴が可能となっております。(なぜかスーパーバイクが第7戦のみやレッドブル・エアレースが第3戦のみですが)その他は、すでにJ SPORTSオンデマンドにて見逃し配信の切れた2018年のレースを第1戦から観戦することができます。そのため1コンテンツの視聴期間が2~3ヶ月と比較的長いJ SPORTSオンデマンドよりも長くなっており、今から加入しても第一戦から楽しめるサービスになっているようです。一方で、2018/06/29現在ではJ SPORTSオンデマンドの限定コンテンツや、スカパー! J SPORTSでは視聴可能だがJ SPORTSオンデマンドに来ていないコンテンツ、マイナーなコンテンツはAmazon J SPORTSチャンネルには来ていません。したがってFormula EやMOTOR GAMES、J SPORTSオンデマンド限定配信コンテンツに関しては一切Amazon J SPORTSチャンネルには追加されていません。
以上のようにコンテンツの種類はスカパー! J SPORTSとJ SPORTSオンデマンドの悪いとこ取りになってしまっていますが、その分視聴期間で差別化されているようです。
※1.J SPORTSオンデマンドはジャンルごとでの契約が可能です。そちらは\1,944/月となっています。
※2.Amazon J SPORTSチャンネルではLIVE配信終了から見逃し配信開始まで、2~3日ほどかかるようです。(J SPORTSオンデマンドやDAZNではすぐに視聴可能です)
画質
流石はAmazonのストリーミングサービスを間借りしているだけあります。J SPORTSオンデマンドでは720p 2,628kbpsとかなり画質の悪い配信サービスだったのですが、Amazon J SPORTSチャンネルでは1080pでの視聴が可能になりました。
ここではSUPER GT第3戦のキャプチャでAmazon J SPORTS チャンネルとJ SPORTSオンデマンドの画質を比較します。(クリックで拡大)
Amazon J SPORTS チャンネル
出典:J SPORTS
クッリクして画像を拡大して見比べて頂ければ分かりますように、Amazon J SPORTS チャンネルとJ SPORTSオンデマンドでは明らかにAmazon J SPORTSの方が画質がいいのが分かります。実際に動画としてみていても、J SPORTSオンデマンドではややボヤけけて見えますがAmazon J SPORTS チャンネルではくっきりと綺麗に見えます。24inch程度のPCのモニタでも動画ならばこの違いがよく分かるので、大型のテレビで見ればより画質の違いを実感できるでしょう。ただしDAZNのF1と比べると今ひとつ画質が悪いような気がします。それでもAmazon J SPORTS チャンネルは及第点には達していると言ってもいいでしょう。
使いやすさ
最後に使いやすさですが、これは明らかにJ SPORTSオンデマンドに軍配が上がります。J SPORTSオンデマンドでは各ジャンル内でもカテゴリーが存在し、WECを見たければWECカテゴリ、スーパーフォーミュラを見たければスーパーフォーミュラカテゴリを探せば簡単に探している動画を見つけることが出来ます。
しかし一方でAmazon J SPORTS チャンネルは、(まだ)Prime VideoのUIをそのまま引っ張ってきただけのようなUIでジャンルの下のサブカテゴリが存在しないため、いちいちジャンルごとに何ページも探して動画を見つけるか、または(チャンネル内のコンテンツのみを検索することの出来ない)検索窓から検索して探す必要があります。これでは見たい動画を見つけるまでにストレスが溜まるのは必至と言えましょう。
Live配信
7月1日追記
ライブ配信についてはどうでしょうか。
画質に関してはライブ配信と見逃し配信は殆ど変わりませんので上記の画質の画像を見ていただければ(最高画質時の)画質が分かって頂けると思います。
もうひとつ肝心の遅延に関してはどうでしょうか。わたしはスカパーに契約していませんので確かな数字は出せませんが、インターネットの各所で行われている視聴者の実況コメントと比較すると、Amazon J SPORTS チャンネルが35~40秒程、J SPORTSオンデマンドは1分10~20秒程遅延があるようです。(参考程度にDAZNは90秒ほど)Amazon J SPORTS チャンネルはJ SPORTSオンデマンドのおよそ半分の遅延ということでAmazonの配信環境がいかに優れているのかということが分かります。実況をする分には少し遅いですが、それでも競合のサービスの中では群を抜いて遅延が小さい事がわかります。某巨大掲示板で実況する場合にはそれでも遅延は気になる程度にありますが、Twitterなどでの実況ならばそこまで気にならない程度かもしれません。
また、視聴時の通信ログは以下のようです。
まとめ
価格的にはどっこいどっこいなAmazon J SPORTSチャンネルとJ SPORTSオンデマンドですが、画質と遅延とコンテンツ寿命ではAmazon J SPORTSチャンネル、UIとコンテンツ数ではJ SPORTSオンデマンドとそれぞれ得意不得意が分かれる結果になりました。今のところはどちらを選ぶかはユーザー次第ですが、近い将来UIが改善されればAmazon J SPORTSチャンネルを声を大にしてオススメできるようになるかもしれません。Prime Video チャンネル自体が始まって間もないサービスということで今後に期待しましょう。
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