コスパモンスターDAC Topping DX3 Proレビュー

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とりあえず最初にひとこと。
「ステマじゃないです」

PCオーディオにこれまで使っていたTEAC UD H-01の調子が最近芳しくないので新たにDAC/Headphone Ampを買うことにしました。
以前使っていた製品はTEAC製なのですが、これまではこういったアナログ要素の強いものは国内メーカないしは欧米のメーカが無難かなあと考えていました。しかし、最近はディジタルアンプの品質が非常に高くなっていることなども相まって、中華メーカの商品がコストだけでなく品質まで一級品になっていると評判。そこで中華メーカでも鉄板のひとつであるToppingからDX3 Proを購入しましたのでレビューします。

個人輸入と国内流通品には値段差がほぼ見られなかったので購入はAmazonの輸入業者からしました。2色ありますがこのレビュー執筆時では黒:在庫僅少、白:在庫僅少といった感じです。
 

 

環境

使用目的はPCオーディオで、音楽から動画、ゲームとほぼ何にでも使います。よく聞く音楽のジャンルはHR/HM、60年代Rock、アニソンです。
使用環境は

PC(自作)

USB ディジタル出力 or 光ディジタル出力

Topping DX3 Pro (TEAC UD H-01)

Belden 88760(自作) or Mogami 2534(自作)

Philips Fidelio X1

です。USBケーブルは表皮効果や渦電流や近接効果等々を考慮してもその伝送速度やケーブル長やディジタルデータであることなどを考えると、粗悪品でない限りは変わらないとの考えから特にこだわっていません。こだわるとしても最近のデータセンタ事情と同様に光ケーブルでいいんじゃないかなと思います。波長1.55μmの石英光ファイバ通信ではおよそ50kmくらいまでの長距離通信ならば中継機なしで問題なくできますし、近距離ならば波長1.3μmの石英光ファイバ通信ならば分散フリーで超高品質通信できます。そういったことを考えるとUSBケーブルにお金ぶっこむのはもったいないんじゃないかなと。(あくまで自論です。)

USBケーブルにお金をかける価値がないことはないようです↓

USBケーブルについて某教授(Slow LightやSi Photonicsの専門家)に聞きました

「昔のオーディオは全てアナログだったので,音源から出口(スピーカーやヘッドホン)まで,忠実に信号を伝えるために,できるだけ線形性の高い=歪が少ない信号伝送が可能な伝送路や機器が開発されました.CDができたとき,音源側はディジタルになって,信号劣化しないので,出口近くに気を遣えばよい,と一時期は言われましたが,ディジタル信号は0/1の急峻な信号で,結構,高周波成分をもっているので,それが何らかの経路でアナログ回路側にも伝わってしまったり,ディジタル/アナログ変換に多少のエラーが出て,誤り訂正符号でも回復せず,結果的に音を劣化させるようだ,と言われだしました.特にディジタル導入後,音質が全般に向上したので,そういった問題がよりはっきり聞き取れるようになったとも言えます.それでUSBケーブルでも,できるだけノイズシールドがしっかりしたもの,余計な歪を生まず,D/A変換もきちんと行えるものを,ということで,高価なケーブルが売れるのだと思います(ハイエンドのオーディオはかなりマニアックな世界なので,音質が向上するなら10倍のお金を出す人もそれなりに居ることも要因).」

とのことです。誤り訂正符号でも回復しないだけのエラーが発生することと、デジタル信号の高周波成分がノイズとなることはありえるそうなので、それならば人によってはUSBケーブルにお金をかける価値はあるかもしれません。

ただし、教授は、光ファイバー通信ならば電気ノイズの混入がないため光ファイバを使っているともおっしゃれました。また通信距離が短いので、多少の損失や分散は問題にならず石英ではなく取り回しに優れるプラスチックファイバで十分だとのことです。

外観とか付属品とか

上記の写真の通り、見た目に高級感はあまりありません。一応アルミケースなのですが、なんでしょうねこのチープ感は。恐らくですが、主要因は音量調整ノブでしょうか。本体に対して無駄に大きくてデザイン的に良くない気がします。また回してみてもその感触が安いソケットレンチのカチカチがしてなんとも言えない気になってきます。
さらに本体も非常に軽い(400g)のもチープ感の要因になっていそうです。とはいってもこれはディジタルアンプの特徴でもありますし、その分取り回しがいいので、この点については所有欲と利便性のどちらを重視するかで印象は変わってきます。とはいえ持ち運びするようなものでもないので特に気になるものでもないでしょう。


付属のリモコンについてですがこれも安っぽいです。ただしNEWバージョンでは単4電池(なんと付属しない…)にしてくれたのと、非常に便利なので(後述)まあこれでいいです。

 

音質

気になる音質ですが、非常に良いの一言です。
フラットに音が増幅されており低音域から高音域まで強いクセもなくしっかりと出ています。特にベースやバスドラムについてはボワボワ不鮮明な音ではなく自然で高質な音を力強く出してくれるのが好印象です。高音が刺さりにくいヘッドホンを使っていることも相まって、少し大きめの音で聴いても聴き疲れすることがなく、リラックスしながら長く聴くことができます。
ただし低音マシマシというわけではないので低音過多が好きな人はイコライザで低音以外の音量を下げてあげないと満足できないかもしれません。
定位についてですが耳の横ででボーカルが歌ってくれるような鳴り方ではありませんね。それでも遠かったり薄膜挟むような聞こえ方でもないです。どちらかというと目の前で歌って演奏してくれている感じでしょうか。個人的にはこういった鳴り方が好きなのでこれはあたりでした。

とにかくまとめると2万4千円の音だとは思えません。国産品なら安くても5万円はしそうな音質です。あっぱれD級アンプ。あっぱれ中華。あっぱれTopping。

詳しい音質レビューはAudio Science Reviewを見ると分かりますが、高調波ノイズがかなり抑制されてます。全部入りでこれはすごいですね。設計の技術力と旭化成製のチップを採用している強みを感じることができます。

また、旧モデルで不評だった(らしい)リレーのカチカチ音は解消されております。入力が切り替わったときなどに非常に小さなポップノイズがしますが、これはしょっちゅうするわけではないので気になるようなものではないです。

利便性

この機種の最大の売りは利便性だと思います。とにかく便利なんですよ。
まず付属のリモコンで簡単操作が可能です。これはアナログアンプを使っていた人からすれば想像もつかないだろうレベルで便利です。音量を変えるのにわざわざ機器まで出向かないでいい他、着信などでちょっとミュートしたい場合にはPCを操作するよりもリモコンワンボタンでミュート出来るのは素晴らしいです。
もうひとつBlueToothの受信が出来る点も便利です。スマホの普及でPCを使いながらもスマホを触るという複数端末の操作が一般化したように思いますが、スマホから音を聞きたくなったときに、わざわざヘッドホンを外して低音質なスマホスピーカーで聴くのもなんとも言えませんし、新たに繋ぎ直すのは面倒この上ないです。しかしこの機器の場合、BlueToothレシーバーが付属しているのでリモコンのワンボタンで簡単にスマホ音源を楽しめるようになります。これが半端なく便利です。一度使ったら戻れないぜ。
そして省スペース、低発熱です。以前のTEAC UD H-01は場所を取る上に高発熱だったのでラックに置いていたのですが、この製品ならば机の上にもおけるレベルですね。(まあラックに置くんですが…)

あえて欠点を上げるのならばヘッドホンのバランス接続には対応していないも点と、入力ごとに利得を保存できない点でしょうか。それ以外は完璧です。

音質改善のために

もともと音質が良いので、あまり効果は大きくないですが、簡単にできそうな音質改善について考えてみます。

手っ取り早くできそうなのは電源の高品質化です。
全体的な見た目のちゃっちさ以上にちゃっちそうなのがこの電源です。これだけはどうしてこんな安っぽそうなのにしてしまったのか理解に苦しみます。
なので電源をリップル等の少なそうなものに変えるのが目的です。

解決策としては

  1. Topping P50購入
  2. 安定化電源自作(全部)
  3. 電源自作(ユニット購入)

の3いずれかでしょうか。15V 1Aという割とマニアックな仕様のせいで、既製品は少ないのでユニット購入しての自作が無難かなぁと思います。
音質に満足できなくなってきたらそのうち試そうかな…

まとめ

外観: B
音質: A
利便性: A+

24000円という値段のやすさも相まって、高級ヘッドホンアンプ エントリーモデル(何じゃそりゃ)として最適な一品だと言って良いでしょう。
評判いいみたいだけど中華だし、ステマレビューなんやろなぁ…とお考えの方も騙されたと思ってこれを購入の候補に入れてみてください。本当に良い製品なので。

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